神具
神道とは
日本に古来伝わる信仰である「神道(しんとう)」は、八百万(やおよろず)の全ての事物に魂が宿ると考えることから、アニミズム(精霊信仰)の一形態と考えられています。その基礎は、太古から続く民間信仰や自然崇拝が、縄文時代から弥生時代にかけて日本が狩猟採取文化から農耕文化に移行する際に、徐々に統合・形成されたのではないかと云われています。
特定の開祖や預言者、経典などが存在しない神道の神祗(じんぎ)=神々とは、様々な自然現象や動物、事物、偉大な祖霊など人知を超えた霊性を示すものであり、それらの神霊は山や川、岩や巨木などに宿ると考えられています。このような魂が一時的に物に宿る(または去る)という考え方は他の信仰にはみられない神道の大きな特徴の一つと考えられています。
このような神道の神々の顕れは、雨や日照りなど具体的な現象としてとらえられているほか、人のように善悪の両方の性格を持ち、人々に恩恵を与えることもあれば、蔑ろにすれば祟られることもあります。こうした特質は後世において、歴史上の人物の怨霊や偉大な祖先が神として祀られてきたことにも繋がっています。
さらに、神道の多神教的な性格は一神教とは異なる相対的な価値観を醸成し、大陸から渡ってきた道教や仏教など異質な他文化を受け入れ変容することで、太古の昔から現代まで途切れることなく信仰が続いてきました。神道が持つこれらの特徴は、日本人の信仰はもとより、独自の自然観や美意識を育んできた礎であり、日本の文化風土を語るうえで、神道は欠かすことのできない要素の一つと云ってもよいでしょう。
神道の歴史
まだ文字もなかった大昔、日本人は自然界の様々な現象や動植物、生活にかかわる器物などすべてのものに神が宿ると考え、祈りをささげてきました。しかし、その信仰には決まった形のようなものはなく、日本各地でそれぞれの儀式や祭礼が行われ、祭祀を司る占い師や巫女などが存在したと考えられています。
それが大きく変化したのは7世紀の終わりから8世紀初頭、飛鳥時代に導入された律令制=大宝律令(たいほうりつりょう)だと云われています。この制度により、祭祀を司る神祇官(じんぎかん=かみづかさ)が任命され、全国の神社に幣帛(へいはく)を頒布するとともに、各国の神々の神階・神位が授けられました。また、この時代には古事記や日本書紀が編纂され、天照大神と天皇との関係性が示されるなど、神意を尊ぶ日本古来の信仰を支柱とした天皇による政(まつりごと)が本格的にはじまることになったと云われています。
しかし、一方で6世紀に仏教や道教など大陸文化が渡来していた日本では、この頃にはすでに神道との部分的な融合が起こっていました。元来、地域の共同体や生活と密接に結びついていた日本の神々は、普遍的な価値観を訴える仏教とは全く異なる信仰でしたが、もともと多神教の性質をもっていた日本の民衆の間では「同じもの」として信仰の対象となっていったと考えられています。このような背景から、異なる性格を持つ信仰が融和する「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」が始まりました。
奈良時代になると日本の神々を仏教の一部(護法善神)として祀る神宮寺(じんぐうじ)が各地の神社に併設して建立され、神前での読経やそれまでにはなかった神像が造られたほか、現代まで続く八幡信仰や稲荷信仰などが生まれるきっかけになりました。また、山伏(やまぶし)などの修験者が現れたのもこの頃だと云われています。もともと呪術的な性格の強かった山岳信仰は、密教などの修行者と融和しやすかったと考えられ、こうした修行者は後世、富士講や熊野詣の先達として活躍するなど、神道と仏教は時代を下るにつれて次第にお互いを補強し合うような関係性を構築していきます。
しかし一方で、宮中や一部の神社における祭祀は渡来文化である仏教と一定の線引きがされていたと考えられています。特に鎌倉時代後期には伊勢神宮において伊勢神道が唱えられ、国生みまで遡る神話の体系化が行われ、神道と日本の一体性が主張されました。また室町時代になると、仏を中心とした「本地垂迹説」に異を唱えた吉田神道などが誕生しました。こうした思想は、江戸時代に日本の古典や文化を研究の対象にした国学が盛んになると再び脚光を浴びます。
江戸時代に入ると皇室においても神嘗祭(かんなめさい)が復活するなど、それまでの神道を見直す運動が盛んになります。折しも欧米列強の外圧が強く意識されていた時代、国家をまとめるための精神的な支柱として再評価された神道の再定義は、後の明治維新における尊王論や、それに続く明治時代の国体論や廃仏毀釈運動などにも繋がりました。
このように大きな時代の変化の中で様々に形を変えながら受け継がれてきた神道の信仰の形は、今も私たちの生活の中に息づいています。これからも私たちは人生の様々な場面で神々に祈り、神々との対話を続けていくことでしょう。
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