ご本堂内部の御仏具や御荘厳、欄間や障子などの造作仏具には、灯明や蝋燭（ろうそく）、お香を焚いた際にでる油煙や煤（すす）に加え、長年にわたってつもった埃（ほこり）など、様々な汚れが付着しています。

しかも、多くの御仏具は漆や金箔・彩色などで仕上げられているものが多く、取り扱いが難しいうえ、大きなものや重いもの、高い場所に設置されたものもあり、お掃除がしにくい、難しいと感じる場合が多いのではないでしょうか。

弊社では、漆塗・金箔押などの各種御仏具やご本尊の洗浄はもちろん、欄間や障子をはじめとする造作仏具を含む御内陣・ご本堂の空間全てのクリーニング・洗浄工事を承っています。

ご本堂・御内陣をその場でクリーニング・洗浄

その場で作業できるから低コストで短い工期

御仏具や御荘厳の表面の汚れの洗浄は、お預かりや分解が必要となる大規模な修理・修復に比べて、費用も安く工期が短いのが特徴です。通常、御仏具はお預かりして洗浄作業をしますが、弊社では現地でそのまま洗浄するので、費用のかさむ運搬費用や保管費用が発生しないうえ、作業時間も短く抑えることができます。

また、施工前にご本堂や御仏具の状態もまとめて調査・把握できるので、将来必要となる修繕の計画も立てやすくなり、結果として低予算でご本堂の維持管理をすることができます。

漆・金箔を傷めることなくその場でキレイに洗浄

御仏具や御荘厳に付着している汚れの正体は、ろうそくやお香から立ち昇る油煙と埃（ほこり）が混じりあった煤（すす）がほとんどです。油を含んだホコリの固まりは、こびりついているためなかなか取りにくく、間違った方法でお掃除すると、下地の漆や金箔を簡単に傷めてしまいます。

弊社では、独自開発した最新の洗浄方法で、下地や漆、金箔を傷めることなく蓄積した汚れを丸ごと洗い流し、御仏具本来の輝きや美しさを蘇らせます。また、洗浄液は御仏具の表面の汚れだけを落とすので、歴史ある味わい深い美しさを損ねることもありません。また、この方法は国宝などの重要文化財にも採用されている方法なので、安心してお任せいただけます。

その他、具足や法具など、真鍮素材の金属製御仏具の洗浄やお磨きも承っております。お気軽にご相談ください。

寺院も丸ごと洗浄「エアー鉋」

従来は寺院の外壁や門柱を綺麗にするには、建物の解体など大掛かりな工事が必要でした。しかし、弊社の最新技術「エアー鉋」は、独自に開発された木質チップと空気を施工部分に吹き付けることにより、木地を傷めることなく古くなった塗装や、木部の汚れ、カビ等を除去。木造建築物の寿命を延ばし、新築のような外観に仕上げることが可能です。ぜひ下のバナーからお気軽にご相談ください。

極彩色の割れ・剥落には剥落止工事

多くのご寺院のご本堂やご本尊には彩色が施されていますが、その多くは木部に直接描かれているため、長い時間が経過すると、絵具に使用されている膠の劣化や、気温や湿度の変化に長年晒された木部の膨張・収縮、反り、割れなどの影響により、彩色表面のひび割れや剥落（はくらく）、退色をおこしてしまいます。

このように劣化した彩色の表面部分はとてもデリケートで脆く、そのまま洗浄・クリーニングすることはできません。そのため、事前の調査で劣化や傷みの大きい箇所を特定し、丁寧に適切な処置を行うことが必要となります。

ご寺院の大切なかけがえのない財産を後世に残すために、弊社では、傷みの程度に応じて既存の彩色を維持・保護するための剥落止の施工を実施しています。

また、慎重な取り扱いが必要な御仏具や御荘厳、文化財などについては、より専門性の高い施工を行う弊社のグループ企業、若林工芸舎による修理・修復も承っております。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

京仏具の伝統を受け継ぐ若林だからできる安心施工

若林佛具製作所は創業から約200年、京仏具の製作一筋に歩んで参りました。伝統工芸品に指定される京仏具は、様々な工程を専門に担当する数多くの職人による分業によって今も製作されています。弊社はこうした職人の技術を継承しながら、今までに様々なご宗派のご寺院様に御仏具・御荘厳をお納めしてきました。

弊社では、お客様のご希望を丁寧にヒアリング。御仏具の洗浄・クリーニング施工から、御仏具の移動、保管、修理・修復、その他専門性の求められるご要望まで、御仏具・御荘厳、ご内陣の全てについて安心してご相談いただけます。

御仏具・御荘厳クリーニング・洗浄のビフォー・アフター

木仏（千体仏）の洗浄

高野山奥之院にご安置されている千体仏の洗浄作業です。堂内で焚かれた護摩による煙やホコリによって黒ずんだ仏様の状態を一体一体確認しながら洗浄。欠けてしまった手や後光などは新たに新補しました。

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• after

  

須弥壇の漆地の洗浄

経年の汚れとキズが目立つ須弥壇の洗浄依頼です。塗り替えすることなく、洗浄作業と漆地の磨き出しを行うことで、美しい漆の風合いが復活しました。

• before

  

• after

  

内陣の後門柱、長押、虹梁の金箔部分の洗浄

金箔で覆われた内陣の後門柱と、それに続く長押と虹梁の洗浄依頼です。金箔部分は押し替えすることなしに、金箔の輝きを再生させる洗浄方法で見違えるほど輝きが復活しました。

• before

  

• after

  

内陣檀框の漆地と錺金具の洗浄

内陣の檀框の洗浄依頼です。埃などの汚れや傷で覆われ、白っぽくなってしまった漆地や、輝きに曇りが見える錺金具などを洗浄しました。錺金具は金色の輝きが戻り、漆は磨き出しを行い鏡面のような光沢を取り戻しました。

• before

  

• after

  

狛犬の洗浄

苔むした狛犬を洗浄いたしました。狛犬の表面には苔以外に、埃やカビ、鳥の糞などがこびりつき、また雨水由来のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分がシミのように残っていましたが、通常の高圧洗浄機では取りきることのできない汚れも綺麗に落としています。

• before

  

• after

  

御仏具・御荘厳クリーニング・洗浄のよくある疑問

ご本堂の洗浄のために御仏具を移動させる必要があり不安です。大丈夫でしょうか？

御仏具はそれぞれ取り扱う際に注意が必要です。弊社では、仏具の修理・修復や移動・設置を担当する専門の作業員が、移動から設置まで責任をもって作業いたしますので、ご安心してお任せいただけます。

天蓋や幢幡など大型の仏具が煤で汚れています。綺麗にできますか？

はい。天蓋などの大型の御仏具の場合はご本堂の中をしっかり養生してから、足場を組んで作業いたします。もちろん周囲を傷つけたり汚したりしないように専門の作業員が丁寧にお取扱いいたします。煤汚れはろうそくやお線香の煤と埃が一緒になったもので、普通のお掃除ではなかなか落とすことはできません。弊社では寺院の汚れに特化した洗浄剤を使用することで、大切な御仏具を傷めることなく、汚れだけを綺麗に取り除きます。

金箔が剥げている部分がありますがそれでも洗浄できますか？

金箔や漆の劣化状態によってはそのまま洗浄すると、御仏具が傷んでしまうケースもあり、その場合は洗浄前に劣化・損傷した部分の補修が必要です。まずは弊社にご相談ください。経験豊富な担当者が御仏具の状態を調査・お見積もりいたします。もちろんお見積もりは無料です。ぜひお気軽にご相談ください。

宮殿や須弥壇など大型の仏具でも大丈夫ですか？

はい。大型の御仏具の場合、御仏具の状態によってはお預かりすることもありますが、通常、洗浄・クリーニングの作業は現地で行います。そのため、作業期間中もお客様自ら作業の様子をご確認することも可能なうえ、短期間・低コストでの施工を実現しています。

大事にしている仏具ですが、洗浄することで風合いが変わってしまわないか心配です。

洗浄に使用する洗剤は、御仏具の汚れのみを落とすことができるので、漆や金箔の風合いを損ねることはありません。

虹梁部分の彩色が劣化しているように見えて心配です。状態を確認できますか？

彩色はしっかりとした下地の上に描かれることもありますが、下地がなく木地にそのまま描かれている場合も多く、その場合、彩色表面が劣化してとても脆くなっている可能性があり、そのままにしておくと最終的には彩色部分が風化してしまう恐れもあります。こうしたケースの場合、現在残っている彩色部分を再び木地に固定させる「剥落止め」をすることで現在の状態を保存することが可能です。弊社は国宝など文化財に指定されている寺社の施工経験が豊富です。ぜひ一度弊社の担当者にご相談ください。

こんなことはありませんか？
少しでも心当たりがあればぜひご連絡ください。

ご本堂の御仏具や御荘厳は大きなものが多く、滅多に動かすことはありません。また漆や金箔が使用され、お手入れが難しいものも少なくありません。もし、以下のようなことや、ご本堂内のクリーニング・洗浄でお困りのことがあれば、ぜひ弊社にご相談ください。

• ご本堂の金箔の輝きがくすんできた
• 床に彩色や金箔の一部が落ちていた
• 柱や框の漆の艶がなくなってきた
• 金箔がはがれてきた・はがれそう
• 瓔珞・天蓋をきれいにしたい
• 御仏具・御荘厳の状態が心配だ
• 御本尊のくすみや埃が気になる

洗浄できる御仏具や御荘厳の種類

若林ではご本堂内部の御荘厳・御仏具はすべて洗浄・美掃可能です。以下に挙げた項目以外でもお困りのことがございましたら、何でもお気軽に弊社までご相談ください。

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  金箔、漆塗の施された框

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  金箔押しの向門柱・柱

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  御本尊

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  厨子・須弥壇

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  瓔珞・幢幡

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  天蓋

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  山号額

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  欄間・障子

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  礼盤・護摩壇

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  常花

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  色付きの金属製仏具

  （宣徳、煮色　など）

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  卓類・椅子類

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  箱類

  （経箱、据箱　など）

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  狛犬・石碑・石段

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  銅像

御仏具の修理・修復をご利用したお客様の声

火災の煤で汚れた仏具を洗浄していただきました

アイダホ・オレゴン仏教会（アメリカ合衆国）

寺院の地下室からの火災で上階にあるご本堂とその御内陣、御仏具が火災の煙で被害を受けました。若林佛具の方々がお仏壇全体を御内陣から取り出して、解体し、ホコリを払い綺麗に修復してくださいました。お仏壇の洗浄には、空気圧と洗浄液を含んだ軽い水流を使って洗浄してもらいましたが、その効果には驚かされました。御仏具やお仏壇の光沢が戻り、ぴかぴかに生まれ変わりました。

彩色・剥落止め工事の概要

寺院建築における彩色の歴史

木造建築物に彩色を施す文化は主に中国から仏教徒とともに伝来しました。建物への彩色は、装飾的な目的の他に、建築に用いられる木材の保護も兼ねています。当初は、単色で塗られていましたが、奈良時代に入ると天井など寺院の内部にも金箔や極彩色を施すようになり、本尊を飾る荘厳の一部として取り入れられるようになりました。その後、平安時代に入ると、床以外の全てに極彩色が施されるなど、日本独自の彩色文化が誕生します。

建築物への彩色は特に桃山時代から江戸時代初期にかけて盛んに行われました。建築物以外にも、襖や屏風、仏像など、礼拝の対象となる様々な場所に彩色が施され、日本独自の建造物彩色文化発展の大きな礎になったと考えられます。

彩色の技法

木地彩色には木地に直接彩色を施す「木地彩色」と、箔押しした表面に彩色する「箔彩色」、木地に胡粉で下地を作ってから彩色する「極彩色」の三種類があります。「木地彩色」は淡い色調が特徴で、木の素材感を表現できる手法です。「箔彩色」は金箔の上から着色することで透明感のある煌びやかな美しさが特徴です。「極彩色」は何度も重ね塗りした胡粉下地に上塗りした絵具の色がはっきりとあらわれる華麗な美しさが特徴です。

彩色に使用する絵具は岩石や貝など自然由来の顔料を細かく砕いたものを、礬水（どうさ）と呼ばれる膠（にかわ）と明礬（みょうばん）を溶いた水溶液で練り合わせて作ります。この時、礬水の濃度が弱いと接着力が弱くなり、剥落の原因となりますが、逆に強すぎると発色の悪さやひび割れの原因となってしまいます。

剥落止めとは

剥落止め（はくらくどめ）は建築物などに施された彩色を、できるだけそのままの状態で保存する方法です。彩色の剥落は絵具を定着させるために使用されている膠の劣化や、木地の伸縮やひび割れ、反りなどによって、彩色部分が浮いてしまったり、剥がれ落ちてしまうことで起こります。

剥落止めの施工は、まず念入りに施工箇所を調査することからはじまります。彩色の劣化は主に層状に剥落するものと、粉上に剥がれるものの2種類に分類できます。調査が終わるとまず、彩色表面の汚れを刷毛や筆などで丁寧に落とします。次に彩色の劣化の種類に合わせて彩色の接着に使用する礬水や布海苔（ふのり）の濃度を調整し、注射器やスプレーなどを使って彩色の着色層を再接着します。

剥落止めだけでなく、既に剥落してしまった箇所への補彩や加筆がご希望の場合はお気軽にご相談ください。無料でお見積もりいたします。

納品までの流れ

• 1. お問い合わせ
  2. ご訪問・状態の確認
  3. お見積もり・ご提案
  4. ご契約
  5. 事前打ち合わせ・工程の確認
  6. お仏具引取または移動
  7. クリーニング・洗浄
  8. お仏具設置
  9. 完成
  10. お引き渡し
  11. アフターサービス

• • 作業前にお客様からお預かりするお品物を丁寧にチェック。お困りの箇所や、ご希望をしっかりとヒアリングいたします。ご予算などに合わせて最適なお見積もりをご提案させていただきます。

  • クリーニング作業に入る前に、必要な工期や工程について丁寧にご説明いたします。作業前の仏具の移動もお任せください。

  • クリーニング作業の途中で、進捗や作業状況をご確認いただけます。作業後の仏具の設置もお任せください。

  • 完成の状態をお確かめいただき、十分ご納得いただいた上でお引渡しいたします。