寺院内装工事
国宝・重要文化財修復の技術でご本堂をより美しく。若林の寺院内装工事
寺院の内装と一言でいっても、その内容は多岐にわたります。彫刻や漆塗り・金箔押し等が施された欄間や、華やかな彩色の襖絵や天井、木部を保護する建築金物など、それぞれの工程毎に多くの職人の技術と経験が必要となります。
時代を経たご本堂の場合も、割れや剥落、褪色、錺金具(かざりかなぐ)の劣化が生じていることが多く、工事にはとても繊細かつ緻密な作業が要求されます。
若林はこのような工程の全てを熟知している経験豊富な職人集団とともに、国宝や重要文化財を含む数多くのご寺院様からの内装工事を承って参りました。
ご新調から修復・修理まで、ご寺院の内装工事は是非、若林にご相談ください。施工前からアフターサポートまできめ細やかなサービスをお約束いたします。
納品までの流れ
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- お問い合わせ
- ご訪問・状態の確認
- お見積もり・ご提案
- ご契約
- 打ち合わせ・工程の確認
- お仏具移動(必要であれば仮荘厳設置)
- 着工・施工
- 作業報告
- 内装工事完成
- お仏具設置
- お引き渡し
- アフターサービス
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作業前にお客様のお困りの箇所や、ご希望をしっかりとヒアリング。ご予算などに合わせて最適なお見積もりをご提案させていただきます。
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工事に入る前に、必要な工期や工程について丁寧にご説明いたします。必要であれば、仮設の荘厳を設置することも可能です。
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内装工事の途中で、進捗や作業状況を担当営業がご報告。ご希望の場合は、職人の作業場へご案内も可能です。作業後の仏具の設置もお任せください。全国各地の営業所から、弊社社員が直接お届けにあがります。
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完成の状態をお確かめいただき、十分ご納得いただいた上でお引渡しいたします。
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寺院内装工事なら全てお任せください!仏具、仏壇、位牌、仏像、納骨壇など全国・全宗派対応可能!
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寺院の内装工事事例
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施工前
富山県 満徳寺様
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施工後
富山県 満徳寺様
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施工前
京都府 浄土宗総本山知恩院様
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施工後
京都府 浄土宗総本山知恩院様
漆箔



寺院の柱や長押などを漆箔に仕上げる理由の1つには、防虫効果がある漆を塗布することで木材の保護に繋がることがあげられ、もう1つの理由には、装飾性が増し、浄土真宗の特徴である「内陣で極楽浄土を表現する」ことがあげられます。
弊社の漆箔工事は、伝統的な下地「堅地(かたじ)」を施工できるところに特徴があります。下地には木目を消し上塗漆(うわぬりうるし)が均一かつ平滑に塗れるようするという目的があり、下地の主材料の珪藻土を漆で練った「堅地」と、膠(にかわ)で練った「半田地(はんだじ)」の2種類に大分できます。堅地下地は下地の表面を平滑に研ぐことに時間と経験が必要で手間がかかるため、より簡便な半田地が開発されましたが、弊社が堅地にこだわるのには、耐久性と堅牢さにおいて堅地の方が明らかに優れているためです。
漆塗面の仕上げに「蝋色〔呂色〕(ろいろ)」技法を用いることも弊社の特長の一つで、この技法は、漆表面に残る刷毛目を消し、黒漆の発色に深みを持たせることができます。刷毛目を朴炭(ほおずみ)や桐炭で水研ぎして表面を整え、その後数回にわたり生漆(きうるし)の塗布と研磨を繰り返すことで、黒漆面に生漆の表層を形成して漆本来の発色に深みを持たせ、いわゆる「漆黒(しっこく)」に仕上げます。
金紙張



金紙張工事は、工房で現地に張り付ける金紙を準備することから始まります。その工事に使用する和紙にもこだわりがあり、本紙には金箔を押した後の落ち着きを考え手漉き本鳥の子紙を使用します。その上に、膠に明礬(みょうばん)を加えた「礬水(どうさ)」という水溶液を7-10回ほど刷毛塗りすることで、鳥の子紙の表面を整え接着力を高めます。そこに、縁付(えんつき)金箔という希少な金箔を、1枚1枚手押しすることで金紙が完成します。
現地では、下張りの美濃紙の端をけばだたせて双方の紙の繊維をからめ継ぎ目の強度を高める「くいさき」作業を行い、紙の縁だけに糊を付けて中空にする「袋張り」技法で壁面に張り付けていきます(「袋貼り」は湿度変化による収縮を本紙に影響を表さないでシワや亀裂の発生を防ぐ技法です)。美濃紙の大きさはおおよそB4版で、レンガの「長手積み(ながてづみ)」状に少しずつずらして張ることで、大きな壁面を形成しても強度としなやかさを保ちます。美濃紙での下張りが2回程度終わると、前もって工房で金箔を押しておいた鳥の子紙を下張りの美濃紙に張り、周囲を黒色の角材で押さえつけて完成します。
さらに、弊社の金箔押工事の特長は希少な「縁付一号色金箔(えんつきいちごうしょくきんぱく)」を使用していることです。
国内の金箔は99%が石川県金沢産ですが、この「縁付一号色金箔」は、生産者不足のため出荷数に限りがあります。「縁付」とは金箔の生産工程で生じる差異から呼ばれるもので、手作業で圧延した金箔を一枚一枚同じ大きさになるよう竹枠で切りそろえて和紙に挟み込みますが、この和紙の大きさが金箔より少し大きく、「金箔に和紙の縁が付く」ことから縁付と言います。一方、金箔を機械で圧延し、和紙ごと一気に裁断する「断切〔立切〕(たちきり)」という金箔の製造技法もあります。
号数は金の含有量を示しています。一号色で97.66%の含有率があり、残り数パーセントは圧延したときに破断しないよう「つなぎ」として銀と銅が含まれます。金は変色しないため、金含有量が高ければ高いほど金本来の輝きが持続します。そして、金箔を押す漆面に綿や紙を用いて生漆を拭き上げる「摺り上げ」という技法を用いることで、金箔を押したときに重厚感のある艶消しの金色(重押し〔趣押し〕(おもおし))に仕上がります。
彩色



岩絵の具を用いる彩色工事には、金紙や和紙に鳳凰や天人など多種多様な彩色を描く「障壁画」と、長押・斗組・平桁(ひらげた)・虹梁(こうりょう)など内陣の建築部材に、花菱や亀甲および菊花文などを極彩色の繧繝(うんげん)彩色で表現する「建造物装飾」などがあります。繧繝彩色とは、中心部から縁部に向かって同系色をグラデーションさせる技法で、江戸時代の後期になると今までとはグラデーションの向きが違う彩色が流行し、彩色の中にもその時代の特徴を見て取ることができます。
CADシステムの発達により、工房で和紙に絵や模様を描き込み、その描き込んだ和紙を現地で張る方法が取られ、現地で建築部材に直接彩色することは非常に少なくなりました。
しかし、膠の溶き具合など、職人の「勘どころ」が必要な岩絵の具を使った着色や、極彩色補修・剥落止め等の工事にも永年の経験が必要とされるため、なかなか一朝一夕でできるものではありません。弊社では鉱物等を粉砕した岩絵の具や岩絵の具を練る膠などの材料、動物の毛を使用した絵筆、絵画や模様の特徴などは、従来のものを踏襲し伝統を引き継いでいます。