払子
読経や説法を行う際に、導師が威儀を示すために用いる法具となっている
払子(ほっす)です。麈尾(しゅび、しゅみ)、白払(びゃくほつ)とも呼ばれます。元々はお釈迦様の時代に、蚊や
ハエを追い払う道具として使用されていたのが始まりとされています。転じて、煩悩や災いを払う徳の高いもの
として考えられている法具の1つです。国産製で本熊毛使用房付きの品物をご用意しております。
払子の歴史について
元々は古代インドで虫を払う民具として使用されていましたが、仏教が中国に伝播していく中で宗教・僧侶の威儀を示す道具とされ使用目的が変わってきました。
払子は「麈尾(しゅび)」と呼ばれますが「麈」は大きい鹿の事です。尻尾の動きで群れが動く様子が高僧・導師が多くの方に教えを説く・導く姿に転じて払子を持つようになった説と言うがあります。麈尾と言う僧具がありますが、麈尾は毛を2枚の板で挟んだ団扇(うちわ)に近いもので払子とは違います。正倉院御物や法隆寺聖徳太子象にその形が見られます。
払子も麈尾もルーツは虫を払う民具で、その後儀式に用いられて講経の時は手に持ちようになったと共通事項は沢山あります。形が違うのに混同されるのは麈尾の遺品が少ないことが原因かも知れません。
払子の毛について
払子の毛が柔らかいのは、仏教の「不死生戒(ふせつしょうかい)」の教えを形に表した言われています。
使用する毛は、白熊毛または本熊毛と呼ばれますが熊ではなく「ヤク(鹿牛)」の毛を使用しています。
日本では古くから使用され徳川家康四天王本多忠勝の兜の装飾として有名で、明治維新では官軍の軍帽、歌舞伎鏡獅子の鬘として現在も使用されています。またヤクは「厄」に通じて、払子を振ることで厄払いに結びつけヤクの毛を使用されたと言うお話もあります。いかにも日本的な発想かも知れません。その他白馬の鬣・尻尾や麻を使用することもあります。特に白馬で作った払子は「白払」と言って珍重されたようです。
日蓮宗の払子について
日蓮宗で払子が使用された時期について、日蓮聖人が用いられたという確かな文献はないそうです。
池上本門寺の日蓮上人像「孝道示現の御尊像」は、日蓮聖人の七回忌にあたる正応元年(1288)に日持上人と日浄上人が大願主となり造立(ぞうりゅう)されたので、この頃までには日蓮宗で使用されたと思われます。
また日蓮聖人が持つ払子の毛は、日蓮聖人の御生母様の頭髪とされています。日蓮聖人はご入滅まで御生母様の髪の毛を肌身離さず持たれて、日蓮聖人が大変孝行を重んじられ優しいお方でした。
当店の払子について
当ショップの払子は、①頭(毛)+②柄+③紐をお好みから選択組合せいただける形になっています。
①頭(毛)は8種類、②柄は10種類、③紐は4種類と合計320種類から選んでいただけます。
また頭(毛)が傷みがでてきたら頭(毛)だけ取替も可能です。
払子のメンテナンスについて
長い間ご使用いただくと毛がよれたり絡まったりしてきます。
「払子用リンス」を吹き付け、「払子専用櫛」で梳いていただく事をお勧めいたします。
「払子用リンス」は静電気を取り艶出し保護をいたします。
「櫛」は毛が絡みしにくい専用にご用意したものです。
ご日常の保管用として、払子置き台や収納保管箱をご用意しています。

寺院営業部からのご挨拶
若林佛具製作所オンラインショップへ、ようこそお越しくださいました。
弊社は天保元年(1830年)京都にて創業以来、仏具一筋に歩み、信用を育んで参りました。
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