柄香炉
大きなご法要に欠かせない柄香炉(えこうろ)をまとめております。 最近軽い柄香炉を求められる声が多くなりアルミ製柄香炉をご用意しました。250gと大変軽量に仕上がっています。また各種デザインの柄香炉もご用意いたしました。
柄香炉の歴史
香りを焚き、体臭や周囲のにおいを消すことはインドを中心に東南アジアから中東・エジプトの気温の高い地域の日常行為でした。柄香炉はこの地域の民具で、エジプト壁画に描かれていたり、インドの遺跡から発掘されています。ただエジプトとインドのどちらが起源なのか断定出来ません。
法隆寺玉虫厨子台座の舎利供養図に柄香炉をもった二比丘尼が描かれています。このことから飛鳥期には柄香炉が伝わり使用されていた考えられます。
また法隆寺の鵲尾形(じゃくびかた)柄香炉」は最も古い形式の柄香炉とされます。「鵲尾」とは鵲(かささぎ)の尾のことを表し、尾羽のように幾つかの切り込みが入ったもののたとえに使われます。この柄香炉は香を焚く炉から伸びた柄が把握部分を過ぎると90度近く曲げられ、その先が鵲の尾羽のように3つの切り込みが入った形状です。装飾がなく本当にシンプルな柄香炉です。鵲尾にした理由の一つに末端に切り込みを入れ広げることで、安定して香炉を安置出来ることもデザインの要素にあったと思います。
飛鳥期以降は製作技術の向上もあり、少しずつ複雑な形状に移って行きます。
平安末期から鎌倉期になると炉(香を焚くところ)はシンプルな朝顔型(朝顔の花ような形)から丸みを帯び、表面に凹凸のある蓮華型が作られるようになります。朝顔型は炉を表側から打つことで成形出来ますが、蓮華型は表裏両面から打つことが必要で高度な技術が必要です。
手元には「鎮子(ちんす)」と呼ぶ飾りが付くようになります。鎮子は獅子や水瓶の飾りで、装飾の意味合いの他に柄香炉を持ったときのバランスを保つためとも言われています。
柄の形も鎌倉時代になると蓮の軸を模した「丸柄型(まるえかた)」が見えます。鍛金・鋳造技術が向上し凹凸のある形状や末広がりの丸い筒の製作など少しずつ高度な技法が用いられてきます。現在使用されている柄香炉はほぼこの時期に現れた形状を継承しています。
柄香炉のメンテナンスについて
柄香炉を次のご使用までそのまま仕舞っておくと変色してしまうことが多々あります。一番のメンテナンスは、ご使用後出来るだけ早い目に乾拭きをしていただくことです。
長期間そのままにしておくと変色だけでなく金属が腐食しサビを発生させることもあります。こうなると機械研磨しても完全に除去できず、サビが再発生する事もあります。
また近年「樹脂コーティング」を広くご利用いただいていますが判然ではありません。コーティングしているので早期の変色やひどい状態になりませんが、ご使用後そのままししておくと油脂塩分が塗膜を通して変色サビを発生させる原因になります。安心されずに乾拭きを行ってください。

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