中啓入
中啓をそのまま鞄に入れておくと、いざ使うときになって中啓が傷んでしまうことがあります。特に中啓の細い骨(扇骨)とハトメ部分は傷みやすく、きちんと中啓を保管していただくだけで長い間安心して使用していただけます。また中啓を使わないときもそのまま外に出しておくと汚れや褪色の元となってしまします。そうしたダメージを防ぐためにも中啓をきちんと入れ物に入れて保管することは重要です。中啓は親骨の長さで1尺(約30㎝)と1.1尺(約33cm)の2サイズありますが、こちらでは一番よく使用されている1尺(約30㎝)が収まる中啓入をご用意いたしました。箱型なので、大切な中啓をしっかりと保管できます。
中啓について
中啓は僧侶が法要で使用する扇子です。大きな特徴は、折り畳んだときに親骨の中程から少し外に開いた形になっています。中啓の「啓」は開くと言う意味で、扇の中程から開いた形から「中啓」と文字が当てられたそうです。中啓は僧侶以外に朝廷や公家社会でも使用され「末広(すえひろ)」と呼ばれたものがありますが、末広は主に儀式などで用いられることが多く、親骨に房が付いているのが特徴です。
中啓は僧侶の位に合わせて、寸法、親骨の色、扇面の図柄が細かく区分けされた時代がありました。絵の図柄によっては一般の僧侶では所有出来ないものもあったそうです。その一つが扇面の褄(つま)と呼ばれる雲模様です。中啓を広げると上のほうに朱色の雲が描かれています。これが褄で、現在販売されている中啓のほとんどは中央で褄が切れています。褄が全て描かれている場合、その図柄の中啓が持てないことになるので、褄の中央を描かないようになったそうです。
中啓の骨の色は主に朱塗と黒塗、そして塗装や染め付けをしない白竹(しらたけ)があります。また溜塗(ためぬり)と呼ばれる透明感のある赤ワイン色や親骨の穴に螺鈿(らでん)を填め込んだ中啓も販売されています。ご宗派により異なりますが、基本的に骨の色に規定はないそうです。
葬儀には専用の中啓があり、喪中啓(もちゅうけい)と呼ばれます。扇面が鈍色(にぶいろ)と呼ばれる灰色・ねずみ色の中啓になります。現在の葬儀の色と言えば黒色と白色ですが、平安期は鈍色が喪を表す色でした。その故事が中啓の扇面に残っています。

寺院営業部からのご挨拶
若林佛具製作所オンラインショップへ、ようこそお越しくださいました。
弊社は天保元年(1830年)京都にて創業以来、仏具一筋に歩み、信用を育んで参りました。
寺院営業部は全国へ出張営業をいたしております。宗派を問わず、仏像や仏具の新調、修復をはじめ内装工事、文化財修理、納骨壇等あらゆる施工経験・事例がございますので、
お気軽にお問い合わせください。
これからもさらに寺院様向きの商品を充実させ、皆様のお役に立てるよう努めて参りますので、よろしくお願い申し上げます。